使込みの証拠を掴んだおっとっと。
でも、現状の生活は甘くなかった。
作業量、内容、厳しい納期、責任の重さが入社以来Maxである仕事であった。
失敗は許されない。
おっとっとの仕事は機械設計であるが、今回抱えている仕事、あらたな装置を
考え出さなくてはならない内容。脳ミソをフル回転しなければならない。
しかし、家庭がこんな状態。頭が回る訳もなく....当然、残業へ....
22時から23時に会社を出る。
そして探偵に依頼してから、毎日帰宅途中に、実家に寄って父親と作戦会議。
嫁には、両家の両親にはまだ相談するな、と言っているので、実家に行っていることを
見つかってはいけない。だから、実家での相談もそこそこに急いで自宅へ帰る。
家に帰ってもキレッキレの嫁。ソファーに寝っころがってデカイ態度でテレビを見ている。
ただいま!って言っても返してもくれない。
そして当然、夕食は用意されていない。
まあ、食欲も無いし...ビール1缶と、少しのつまみ程度。
で、おっとっと自らも、調査を開始しているので、その後
寝るまでの1、2時間程度、証拠集め、離婚についての勉強と覚悟。
それと、今回の事件の日記をつける。これも証拠になるかも...って思ってね。
そして就寝。熟睡なんてとてもできないが、さすがに疲れてはいるので、
横になっているだけといった感じ。
で、朝になってしまう。当然、朝食も用意してくれなくなった。
まあ元々おっとっとは、朝少なく、嫁が用意してくれていたと言っても、
トースト一枚と、インスタントのスープだけだったけど。
もしくは、おっとっとが前日夕食に作ったあまりものを出されるだけであった。
しかし、これについても文句を言ったことは、ほぼない。
おっとっとより少しだけ早く起きて、準備してくれるだけで、ありがたいと思っていたから。
そして、昼は食欲なんて無いので、食べなくなった。
こんな、生活を繰り返していた。
食べたくない、寝れない、仕事キツイの繰り返し。
不思議だか、さすがに疲れているはずだし、睡眠が少ないので
昼間、眠くてしょうがないかと思いきや、いつでも頭がフル回転しているようで、
眠気なんてなかった。
どんどん、疲れ、痩せて行った...
消えた方が楽だろうなぁ、ってボヤーっと考えるようになった。